なぜブレーカーが落ちるのか

真冬の東京。

自分へのご褒美に、と奮発した電気オーブンレンジの中に、チキンが照明に照らされててらてら輝いている。

天気予報が「夕方から雨。その後夜更け過ぎには雪に変わるでしょう」と告げる。

寒がりの彼女が躊躇なく電気ストーブに手をかける。

私がそれに気づき、「待って!」と声をかける。

同時に漆黒の闇が私たちを包んだ…。



※実体験ではありません。ただの妄想です。


ブレーカーが落ちて真っ暗闇の中でブレーカーに手を伸ばそうとつま先立ちをして足がつった、という経験、ありませんか?

足がつった原因はたぶん不摂生ですから自重してください。

ブレーカーが落ちた理由は主に下記の3つ。いずれもブレーカーの構成と密接にかかわるのです。


安全ブレーカーが働いた

「安全ブレーカー」とは、家庭の各コンセントまでの電気回路と接続しているブレーカーです。上の写真の③が安全ブレーカーです。


使用している電気機器が故障でショートしてしまったり、使いすぎで許容電流を超えた電流が流れてしまったりした場合に、ブレーカーが落ちて電気を遮断するためのものです。

例えばキッチンなど特定のコンセントに負荷がかかりすぎている場合に安全ブレーカーが落ちます。安全ブレーカーが落ちると、その部分の電気だけが停電します。

単相100Vの場合、安全ブレーカーは消費電力が1500Wを超えると落ちます。

なので、真冬の東京で電気オーブンレンジ(おそらく消費電力は1000W程度)と電気ストーブ(おそらく消費電力は1200W程度)を、同じコンセントにつないだ状態だと、合計で2200W消費しますので、確実にブレーカーが落ちます。

件の彼(彼女)はブレーカーが落ちること(足がつること)を予期していたのですね。


電子オーブンレンジも、電気ストーブも、いずれも消費電力が大きな機器ですから、それぞれ専用のコンセントにつないで使用してください。


アンペアブレーカーが働いた

「アンペアブレーカー」は全体の電流を管理するブレーカーです。

上の写真の①がアンペアブレーカーです。

このブレーカーは、電力会社と契約しているアンペア数によって設置されているブレーカーなので、メインブレーカー、サービスブレーカー、契約ブレーカーなどと呼ばれることもあります。

30A、40Aなど契約アンペア数が記載されており、一目で契約アンペア数がわかるように色分けされてるのが目印です。

契約アンペア値を超えた電気が流れた時にブレーカーが落ちる仕組みになっており、ブレーカーが落ちると家庭全体の電気が遮断されて停電します。


「アンペアって何?」


「アンペア(A)」は一度に流れる電流を表す単位で、ご家庭においては一度に使える電化製品の上限を表します。

単相100Vの場合は、1A=100W で計算します。

写真のアンペアブレーカーは60Aなので、6000W以上の電気を消費しようとすると、ブレーカーが働きます。


漏電ブレーカーが働いた

「漏電ブレーカー」はその名の通り、漏電を検出した際に事故を防ぐためのブレーカーです。

上の写真の②が漏電ブレーカーです。

漏電ブレーカーは「アンペアブレーカー」「安全ブレーカー」に内蔵されているものもあります。

電気が漏電すると、行き(+)と帰り(-)の電流に差が出ます。この差を検知して働くのが漏電ブレーカーです。

漏電ブレーカーが落ちた場合、電化製品のコードが消耗していたり機器が故障していたりするなど、重大な事態が考えられます。漏電している機器が見つかればすぐに利用を中止し、漏電している所が分からない場合は電力会社に連絡しましょう。


ブレーカーが落ちるのを防ぐには

SANKO GK

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