知っておきたい電気のハナシ
今から2600年余前の紀元前、ギリシャの七賢人の一人に数えられるタレスは、琥珀(こはく)の石を布で擦ると琥珀が埃を吸い付けることを発見。「こりゃ面白い!」と擦っては吸い、擦っては吸いを繰り返したとかしなかったとか…。
静電気現象を発見し喜ぶタレス(想像)
なんせ2600年も前の話ですから誰も見たことはない景色ではありますが、これ、静電気の仕業だ、ということは、今では皆さん想像がつきますよね?(ちなみに「静電気」として認知されたのは16世紀のイタリアでの出来事)
ギリシャでは昔、琥珀のことを「エレクトロン(elektron)」と呼んでおり、これが英語の「electricity(電気)」の語源、と言われております。
2600年前の賢人が無邪気に(見てないのでテキトーに想像)遊んでいた現象が、実は大きな発見だった、というのは何とも興味深い話ですね。
今回は「知っておきたい電気のハナシ」なのですが、電気の仕組みの説明は割愛します。
飲食店(に限りませんが)で使われる電気には、周波数と電圧で下記の種類に分かれます。
周波数
日本には50Hz(50ヘルツ:以下「Hz」)/60Hzの2種類の電気周波数帯が存在します。
「デンキシュウハスウタイって何ですか」という質問は受け付けません。
なぜ2種類の周波数帯があるのかは下記のページで詳しく説明していますのでご覧ください。
関西電力「教えて!かんでんなぜちがう周波数ができてしまったの?」
電気は電柱から建物に引き込まれていますが、50Hzの電力供給エリア内で「おいら60Hzがいいから60Hzにして!」とねじ込もうとしても、けんもほろろに断られます。
「いくらでも積むから頼む!」とお金の力でスゴもうと、言い表せないほどの勢いでゴネようと、どうにもなりません。
なので、日本で販売されている電気機器のうち、コンセントにつないで使用するもの(バッテリー駆動のものは除く)にはすべて「定格周波数」の記載があります(記載がなければヤバい品です。)。
50Hz帯のエリアで使う電気機器は「併用機器(50Hz/60Hzと記載のあるもの)」もしくは「50Hz専用品」を、60Hz帯のエリアで使う電気機器は「併用機器」もしくは「60Hz専用品」をお使いください。
ヘルツの違う電化製品を使用すると、電化製品が想定以上に発熱し、焼損の恐れがあります。もちろんメーカーの保証も受けられません。
ヘルツの違いによる機器の性能の違いを分かりやすく説明した動画がありましたのでお暇でしたらどうぞ↓
電圧
電圧とは「電気を押し出す力」のこと。電圧が大きければ大きいほど流れる電気の量(電流)が大きくなります。
工場などで使用される高電圧のものは別として、飲食店で使用する電圧は「単相100V」「単相200V」「三相200V」の3種類に分類できます。
「タンソウって何ですか?」「サンソウって何ですか?」という質問はスルーします。
「単相100V」は、一般家庭で広く使用されている電圧のこと。コンセントは↓のような形状です。見覚えありますよね?
単相100Vでは一つのコンセントで合計1500 Wまで使うことができます。
なので、1500W以上消費する単相100Vの電気機器はありません。
「単相200V」は、単相100Vのブレーカーを専用のブレーカーに入れ替えることで一般家庭でも使用することができる(ことが多い)高圧の電圧のこと。
電圧が高い分、同じ電流で倍の電力を得ることができますので、消費電力3000Wまでの機器に対応することができます。
家庭用のエアコンやビルトインのIHコンロなどを使用している家庭では、この「単相200V」の電源を使用しています。コンセントはこんなカタチ↓
「単相100V」も「単相200V」も、電気会社との契約では「従量電灯」契約、という契約に基づき電気料を支払います。
電気工事屋さんが単相電源ことを「電灯」と呼ぶことがありますが、ここからきているのですね。
「三相200V」は、電気会社と特別な契約を結んで使うことのできる高電圧の電源のこと。
その特別な契約は「低圧電力」契約と呼びます(高圧なのに「低圧」ってのがややこしいですが。)。
家庭用に広く用いられている「従量電灯」契約とは異なる電線から引き込まなければならない高圧な電源で、大きなモーターなど高出力の必要とする機器に用いられる電源のため、電気工事屋さんからは「動力」と呼ばれています。
一般家庭などにすでに敷設されているブレーカーや電源ケーブルなどとは別に、専用のブレーカーや電源ケーブルを敷設しなければなりませんので、費用が掛かります。
「定格電圧 3相200V」と記載されていますね。
こちらは「定格電圧 100V」の記載が。100Vなら間違いなく「単相100V」という意味。
大きな仕事をする機器=多くの電力を消費する機器は、三相200Vの電源を要する機器が多いです。
天井にはめられている大きなエアコン、クロワッサンが一気に400個焼けるオーブン、10秒でお湯が沸くIHコンロ、扉が6枚以上ある業務用の冷凍庫、冷蔵庫などは三相200Vで動くものが多いですね。
また、同じ見た目でも単相100Vのものと三相200Vのものが併存する機器もあります。
厨房屋さんと機器選びができればそのあたりは逐一指摘してくれると思います(厨房屋さんの経験値と個人的資質による)が、ネットショップなどでダイレクトに購入する際は注意が必要です。
必ず年に何件か「電源種別間違えたので買い取れないか」と相談があります…。
まとめ
・日本には50Hz(50ヘルツ:以下「Hz」)/60Hzの2種類の電気周波数帯が存在すること
・電圧には「単相100V」「単相200V」「三相200V」がある/機器によって電圧が違うこと
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